水問題 ポジションペーパーの記入方法
ここでは、Nepalを例にとって、シミュレーションしてみましょう
- 外交姿勢
- 外務省「
各国・地域情報」の基礎データ>外交・国防>外交基本方針をみると、「非同盟中立、近隣諸国との友好関係の維持」とありましたので、これを記入します。
- 所属地域機構・安全保障機構・重要な同盟関係
- 外務省「各国・地域情報」の基礎データ>外交・国防>外交基本方針には、何も記述はありません。
- 「主要グループ・地域機関」(『模擬国連会議ガイドブック』P92-)をみると、77カ国グループ(G77)に所属していることがわかります。G77を記入します。
- 外務省トップーページで検索
- 「ネパール」で検索すると776件ヒットしました。
- 次に絞り込み検索を行うために[詳細]をクリックします
- 詳細検索の画面になったので、最初の窓に「安全保障機構」と入れ、その上の行の右端の窓を[言葉]ではなく[フレーズ]を選択し
(こうすると「安全保障機構」というフレーズそのものが入っている記事のみをピックアップしてくれます)、[検索]ボタンをクリックします。
「検索しましたが、見つかりませんでした」という結果になりました。同様に「同盟」といれて絞り込み検索をすると約21件ヒットしました。
- 最初の記事が「国際主要事項 11月」でしたので、それをクリックします。
- 記事が検索されたら、記事からネパール関連部分を検索します。<CTRL>キーを押しながら<F>キーを押すと、検索用の窓が開きます。[検索する文字列]の欄に「ネパール」と入力し、[次を検索]ボタンをクリックすると、該当箇所にジャンプします。そこをよんだら、また[次を検索]ボタンをクリックします。「ドキュメントの検索が終了しました」がでたら、終わりです。この記事は、ネパールの同盟関係について記述されたものではないことが分かりました。
- 実は、ネパールの外交姿勢は非同盟中立なので、同盟国はないのでした(^_^
;)ゞ
- ODA(援助・被援助)
-
政府開発援助(ODA)国別データブック(2005年版)で検索
- [ENTER]→[南西アジア]→[ネパール]とクリックします。
- 表-6 諸外国の対ネパール経済協力実績クリックすると、 2003年度の合計は320.4(百万ドル)であり、年々増加している事が分かります。
- 次に、表-7 国際機関の対ネパール経済協力実績 をクリックすると、 2003年度の合計は144.6(百万ドル)で、年々減少してたのが盛り返している事が分かります(表内の用語については、サイト内の解説ページに説明があります)。
- これらのデータをエクセルに貼り付けて合計金額を算出すると(暗算でもできる?)、465(百万ドル)になるので、これを記入します。
- GDP(一人あたりGDP)
- ネパールは、総務省 「
諸外国の主要指標」には掲載されていないので、外務省「
各国・地域情報」の基礎データ>経済をみると、GDP 約80億ドル(2005/06年度)、一人当たりGDP 約294ドル(2005/06年度)と記載されているので、これを記入します。
- 水問題に関しての担当国のデータ
- 外務省トップーページで検索
- 「ネパール 水」で検索すると約 4154 件ヒット。(結果の「ハイライト」をクリックすると ネパール 水 がハイライトされているのですぐ見つかる)
-
JAPAN'S ODA ON WATER/ネパール カトマンズ
- 「安全な飲料水の供給と衛生 人口集中による農村部と都市部の水
需要ギャップ解消が急務」
ネパール では、給水事情の改善が進む農村部に比べて、都市部では1980年代以降に顕著となった人口集中に対する
水需要への対応が進んでいません。カトマンズ盆地内の水源はほぼ開発し尽くされている上に、標高1200mの高地にあり、同盆地北東部のメラムチ川上流部分からの導水に頼らざるを得ない状況にあるのです。
「メラムチ給水計画」は、メラムチ川から取水し、カトマンズ市内に送水される際の浄水場・取水口、26kmに及ぶ導水トンネルなどの建設を行うというもの。アジア開発銀行(ADB)等、多くの国・機関が支援をしており、日本は浄水場に対して融資をしています。
この事業によって、カトマンズ盆地内の給水事情・衛生状況の改善だけでなく、生活の基盤整備による国内の観光振興なども期待されています。
- 外務省「在外公館医務官情報」で検索
- ネパールの「在外公館医務官情報」(2004年7月)に、水についての記述有り!
- ネパールの全人口の約80%は自宅にトイレがなく、また約30%は安全な水にアクセスできない
- カトマンズ市内の一定地域には上水道が敷設されているが時間給水であり、各家庭には貯水用のタンクが備えられてる。しかし、この水は大腸菌などに汚染されていることが多く安全とは言えない。
- 飲用には浄水器を使用し、一度沸騰させ、自然に冷ました
水 の使用が薦められる。
- 市販のミネラルウォータの中には細菌汚染されているものもある。
- 上水道や下水道が十分に整備されていないため、感染性胃腸炎(下痢症)が多い。
-
政府開発援助(ODA)国別データブック(2005年版)で調べる
- ネパールのページの表-3主要開発指数をみると、改善された水源を継続して利用できる人口(%)
が、1990年に69%だったのが、2002年には84%に増加していることが分かる。(2003年版では、1988-90年平均が37%、1996年が59%、2004年版には2000年88%とあり、少し減少していることが分かる。)
-
国連開発計画(東京事務所)のトップページで検索
- 「ネパール 水」で検索
- 国連開発計画(UNDP)年次報告書2003の記事がヒット
- 「ネパール:繁栄につなかるエネルギー・パートナーシップ
6,000もの小川や川がある水資源の豊富なネパールは、その水をエネルギーに利用できる可能性を持っています。
しかし、資金不足や険しい山岳地帯という地形の間忍に加え、ゲリラによる断続的な攻撃によって、孤立した村にとっては水のエネルギー利用は遠い夢の話になっています。
農村人口の9割以上は、依然としてエネルギー確保のために木や動物の糞に頼っているという状況です。
そこでUNDPでは、「農村地域エネルギー開発プログラム(Rural
Energy Development Programme)」の下、地域独自の代替エネルギー開発のためにコミュニティーを結集させ、まず15の地区に93の水車を設置しました。地元の人々、ネパール中央政府、UNDPからの資金で設置された水車は、地域組織によって管理されています。水車は、今では1万1,000を超える世帯に電力を供給しています。
UNDPはこのプロジェクトで、各地区の委員会が農村地域のためのエネルギー政策やプログラムを実施できるよう、研修を行っています。
電力の供給が行われることによって、村の住人の多くは、これまで燃料を集めるのに費やしていた時間を、家畜の世話や小規模事業など、家計収入の増加につながる仕事に使えるようになります。ネパール西部の遠方の村、デュニに住むパドマ・デビ・カドカは、以前には想像すらできなかった繁栄がこの柑にも訪れたとし、「エネルギーは私たちの生活を一変させました」と語っています。」(このpdfファイルはテキストコピーが禁止されている)
- 水力発電は、結集された地域組織で管理されている点がポイント
- 「
国連 on line」で検索
- 水問題に関しての担当国のデータとして
- ネパールの全人口の約80%は自宅にトイレがなく、また約30%は安全な水にアクセスできない
- カトマンズ市内の一定地域には上水道が敷設されているが時間給水であり、各家庭には貯水用のタンクが備えられてる。しかし、この水は大腸菌などに汚染されていることが多く安全とは言えず、市販のミネラルウォータでさえ、細菌汚染されているものもある。
- 改善された水源を継続して利用できる人口(%)が、1990年に67%だったのが、2002年には、84%に増加している。しかし、給水事情の改善が進む農村部に比べて、都市部では1980年代以降に顕著となった人口集中に対する
水需要への対応が進んでいない。カトマンズ盆地内の水源はほぼ開発し尽くされている上に、標高1200mの高地にあり、同盆地北東部のメラムチ川上流部分からの導水に頼らざるを得ない状況にある。
- 「
メラムチ給水計画」やUNDPの、「農村地域エネルギー開発プログラム(Rural
Energy Development Programme)が実施されている。
- 雨水集水プロジェクトが実施されている
を記入する
以上からは援助についてのデメリットが出てきにくい。NGOなどのHPも検索し、論点について考える、
論点1:飲料水へのアクセス
- 飲料水供給、衛生設備の充実をいかに具体化していくのか →ネパールは、恒常的な歳入不足による赤字が続いており、加えて最近は治安維持活動費の増加が財政を悪化させており、飲料水供給のため外国(特に日本)からの援助の継続が必須であるが、同時に多くの方面への配慮も同時に必要である。
- 水道事業民営化を今後も推進するのか、推進するなら、どんな形が望ましいのか → 水利権の市場化によって、水利用の効率化を促し、水不足解消につながるとされるが、ネパールでは、水利権が市場化された後、貧農が水利権を売り払った結果、天水農業に逆戻りするというケースが生じてきている。土地改革直後の中国で、地主が貧農の土地を買いあさった現象と良く似ている。
2.農業・工業用水へのアクセス(開発のための水の重要性)
- 今後増える農業、工業用水へのアクセスをどこまで重視するのか、農業、工業用水をいかに供給するのか
- 仮想水を問題視するのか、問題とするなら、いかなる対処をするのか
- 仮想水が輸出入されることを問題にするか もし仮想水の輸出入を問題視するなら、どういった保障が必要なのか
3.水管理システムの構築
- 水資源の持続可能な利用をどのように進めていくのか、自然環境にいかに配慮して水資源開発を行うのか
- 今後もダム開発を進めるのか、やめるのか 進める場合はいかにして環境に配慮するのか、止める場合はどのような管理対策が考えられるのか
※論点1〜3については、日本のケースについてみるとわかりやすい → 外務省「
水問題の解決に向けた日本の基本的な考え方」
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